MVNO SIM : バッテリー持続が3倍に。バッテリー消費の鍵はSIMの色にあった?

端末の種類は関係なく使用するSIMによって3倍もバッテリー消費が異なるとしたらどう思いますか?今回はMVNO SIMに関するお話です。

タイトルを見て「セルスタンバイ問題」のことかな?と思った方もいらっしゃるかもしれません。MVNOのデータSIMを使用することでアンテナピクトが表示されなかったり、待受状態でのバッテリー消費が激しくなってしまう事をまとめて「セルスタンバイ問題」と言われていますが、この問題に関しては既にOS側の対策がなされていたり、SMS対応のSIMを使用することで回避できますので、概ね解決済のトピックと考えても良いのではないでしょうか。

今回の記事はセルスタンバイもSMS対応も関係ありません。

スマホ等の端末のバッテリー消費に関して違和感を感じ始めたのは昨年からでしょうか。どうも以前よりバッテリー持ちが悪いと思いながらも、端末も高性能になっているし、アプリも常駐するようなものが増えているので、漠然とそんなものかと思っていました。

バッテリー消費の原因は端末やアプリではなくSIM?

まずは3種類のSIMを用いたバッテリー消費テストの結果をご覧ください。
テストに使用した端末はCovia FLEAZ F5。初期化してアプリが導入されていない状態でスクリーンショットを撮る以外の操作は一切行わない状態でテストを行っています。

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テスト1 BIGLOBE LTE・3G データSIM(音声無し・SMS機能有り)

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テスト2 BIGLOBE LTE・3G データSIM(音声無し・SMS機能無し)

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テスト3 BB.exciteモバイルLTE データSIM(音声無し・SMS機能無し)

如何でしょう?上記の3つのテストで異なる点はSIMカードのみ。つまり使用するSIMカードによってバッテリー持続時間(連続待ち受け時間)が2倍以上異なるという結果が出ました。

念のため別の端末でもテスト

サンプルとなる端末がLTE未対応の3G端末であるCovia FLEAZ F5だけでは根拠として弱いので、LTE対応端末であるHuawei Ascend Mate7でもテストを行いました。

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テスト1 BIGLOBE LTE・3G データSIM(音声無し・SMS機能有り)

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テスト2 BIGLOBE LTE・3G データSIM(音声無し・SMS機能無し)

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テスト3 BB.exciteモバイルLTE データSIM(音声無し・SMS機能無し)

Huawei Ascend Mate7は一応ハイエンドと言われている端末で4000mAhの大容量バッテリーを搭載していますが、この端末を使ったテストではバッテリー持続時間(連続待ち受け時間)が3倍近く異なる結果となりました。

テスト1・テスト2の結果からわかる通り、ここ1年くらいの端末であればSMS機能の有無によってバッテリー持続時間(連続待ち受け時間)に大きな差が生じるといった事は無いと考えて良さそうです。

問題は2~3倍という大きな差が生じたテスト3です。テスト1・2とは一体何が違うのでしょうか?BIGLOBE LTE・3GとBB.excite、どちらもドコモから提供されているSIMを利用しているのでMVNO事業者によって差が出るというのもおかしな話ですが・・・

SIMの色が違いました

BIGLOBE LTE・3GとBB.excite、2つのSIMを比べてみるとSIMの色が違っていました。

sim

テスト1 BIGLOBE LTE・3G データSIM(音声無し・SMS機能有り) 2014年秋契約 ピンク
テスト2 BIGLOBE LTE・3G データSIM(音声無し・SMS機能無し) 2015年春契約 ピンク
テスト3 BB.exciteモバイルLTE データSIM(音声無し・SMS機能無し) 2012年秋契約 

「SIMの色」で検索してみると幾つか情報が出てきますが、要はピンクの方が新しく、「NFC TypeA/B方式」とやらに対応しているそうです。日本ではあまり馴染みがない方式ですが、将来を見越しての事でしょうか。徐々に赤SIMはピンクSIMに置き換わってきているとのこと。

ピンクSIMはNFC絡みの仕様が異なるという事はわかりましたが、それが原因でこれだけのバッテリー消費の差が生まれるものでしょうか。正確なところはわかっていません。

バッテリー重視なら赤SIMか?

何故そうなるのか、バッテリー消費の違いは本当にSIMの色と関係があるのか、正直なところよくわかりませんが、少なくとも手持ちの環境では上記のような結果が出ました。今のところピンクSIMを選択するメリットも無さそうなので、使用するのであれば赤SIMというのが当サイトの結論です。

実は上記以外にも昨年入手したSo-net SIM(赤)も手元にあるので、また時間があれば別の組み合わせでも検証してみたいと思います。赤・ピンク両方持っているという方は是非検証してみてください。

その後・・・

この記事を出してから一年半以上が経ちましたが、思った以上に閲覧・参照頂いているので簡単にフォローしておきたいと思います。結論から言ってしまいますとSIMの色は関係無いのかもしれません(申し訳ありません!)。

ただ、使用するSIMによって大きくバッテリー持続時間が異なる点はその後の実験でも確認出来ています。ほぼ同じ環境のHuawei Ascend Mate7で、OCN モバイル ONE(音声無し・ピンクSIM)、OCN モバイル ONE(音声無し・赤SIM)、DTI SIM(音声無し・ピンクSIM)、Y!mobile SIM(音声有り・ピンクSIM)のスリープテストしてきましたが、1ヶ月近く持続できたものもあれば、1週間ちょっとしか持たなかったものもあり、採用するSIMによってバッテリー寿命に3倍以上の差が生じたという結果には変わりがありません。

ちなみに上記のスクリーンショットは2016年春頃に行ったDTI SIM(音声無し・ピンクSIM)のテスト結果です。何故差が生じるのかという点はわからないままですが、これまでのテスト結果から、SIMを提供する事業者によってスマホのバッテリー寿命が決まると言えるのではないでしょうか。

普通にネットを閲覧したり、ゲームをしたりして消費するバッテリーの量は、そのスマホの性能とバッテリー容量に依存すると思いますが、スリープ状態においてはSIMに依存する割合が大きいというのが当サイトのここまでの結論です。

1~2日でスマホのバッテリーを使い切ってしまう方はあまり気にする必要はありませんが、使わずに鞄の中に入っている時間が長い方はSIMを見直す事でスマホのバッテリー寿命を大幅に延ばす事ができるかもしれません。

音声通話機能の有無やキャリアメールの有無でどの程度の違いが生じるかなど、まだまだ検証できていない点も多くあります。出来る限りこの話題(SIMとバッテリー寿命の関係)は追っていきたいと思いますが、当サイトだけでは情報量も限られ、偏った内容になってしまう可能性もあります。時間が掛かる面倒なテストではありますが、是非、皆さんでテストして結果をシェアしてみてください。

【今回のテストに使用したSIMカード】

 


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