USBメモリ : 容量128GBのUSBメモリの価格が約1,100円?その怪しいカラクリとは

海外のとあるショッピングサイトを覗いていたら、格安の128GBのUSBメモリを発見。ノーブランドで形状の写真と128GB・USB2.0という仕様以外は確認できないものの、日本円にすると約1,100円。送料も無料だったので怖い物見たさから?買ってみることにしました。
今現在(2015年夏)日本で同じ容量のUSBメモリを買うと5千円くらいはしますよね。128GBでUSB2.0というアンバランスさが少し気になりましたが、価格が価格なので気にしないことにしました。

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約2週間後、海外から黄色い封筒が届きました。海外・・・そう、中国です。やたらと小さな封筒で梱包などもされている様子がありません。どんなモノが出てくるのか。これは色々な意味で期待出来そうです。早速開封してみます。

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キングストン?意外や意外、キングストンの新品と思われるパッケージが現れました。販売サイトではメーカー名の記載はなくUSBメモリ本体の写真だけだったので、ちょっとしたサプライズです。

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裏面。きちんと未開封のようです。中国向けの製品のようでパッケージは殆ど中国語で書かれていますが、特別怪しい様子もありません。

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少しパッケージが汚れてしまっていますが、新品のUSBメモリのようです。よく見るとWindows Vistaのロゴが見えますが・・・ 取り敢えず開封してみます。

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開封しました。キングストンのロゴが刻印されたクールな質感のUSBメモリです。販売サイトでの掲載イメージではロゴの刻印などありませんでしたが・・・

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裏側はこんな感じ。DTSE9という型番のようです。Googleで検索してみると、確かにキングストンのラインナップにDTSE9というUSBメモリがあり、同じ形状をしています。

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でも、サイトを見る限りUSB2.0ののラインナップ8GBと16GBのみ。128GBは?

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ちなみに日本のAmazonでもAmazon以外のディーラーが16GBを扱っていました。

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参考までに一般的なUSBメモリと大きさを比較してみます。今回購入したUSBメモリはUSB端子の幅しか無いので、非常にコンパクトであることがわかるかと思います。次は動作チェックです。

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Windows 7 PCで容量を確認してみました。きちんと128GB相当あるようです。ここで8GBだったりしたら洒落になりません。次は実際にファイルをコピーしてみます。

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適当に大きめのファイルをまとめてコピーという作業を何度かしてみたところ、途中でエラー発生。一度フォーマットした後、同じ作業を繰り返してみたところ、やはりほぼ同じところでエラーが発生します。初期不良?

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H2testwというソフトでこのUSBメモリをチェックしてみたところ、128GBのうち8GBしか使えない事がわかりました。書き込み速度が約2MB/秒というのも強烈ですね。

結局のところ・・・

8GBを128GBに偽装したUSBメモリということになるようです。ループモードとやらでフラッシュメモリーの容量を偽装しているらしく、中国では特に珍しいことでもないようですね。最初のファイルコピーで8GB以上使えたりしたのも、一部上書きされていたからなのかもしれません。

容量もきちんと表示されて一応は動くので、少量の使用でしたら気付きませんし、忘れた頃にエラーが出ても故障だと思ってしまうかもしれません。実際に販売サイトのレビューでもこの商品を高評価している人が結構な数いました。

早速、販売店にクレームです。

モノ「これ容量偽装だよね(画像添付)」
チャ「ディーラーに確認してみるから少し待ってね」
モノ「返金して」
チャ「ディーラーに連絡がつかない。3ドルの返金でいい?」
モノ「やだ。8GBのUSBメモリなんて要らないし」

という感じの中学生レベルの英語のやりとりがあった後、購入価格の全額8.8ドルの返金を確認。

価格が価格だったので、こんなことだろうとは思いましたが、調べてみるとこのような偽装フラッシュメモリは日本にも入ってきていて被害にあってしまっている人もいるようです。ノーブランド品で明らかに怪しい価格なら判別できそうですが、海外正規品を謳って正規の価格よりちょっと安いくらいの価格で販売されていると引っ掛かってしまう可能性もありそうです。SDカードでの被害もあるようなので、フラッシュメモリの類をネットで購入する場合は、販売者やその評価をよく確認してから購入するようにしましょう、というお話でした。